精密板金加工の外観品質向上とコストダウンを両立させるためのVA・VE設計技術情報満載

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小さな製品の曲げキズ防止には、ウレタンシートを使用する

BEFORE

 美観を重視した精密板金を行うには、曲げ加工におけるキズを防止する対策が必要です。
左の写真のように、何も対策をせずに曲げ加工を行うと、ステンレスやアルミなどの素材の表面の下型にあたる部分に、金型のヤゲン跡が付いてしまいます。人の目に触れるカバーのような製品では特に重視されます。
(写真はヤゲン跡が分かりやすい、処理鋼板としています)

AFTER

 曲げ加工時のヤゲン跡を回避し、美観・見た目を向上させるためには、製造工程での対策が最も有効です。
 左の写真のように、プレスブレーキの下型にウレタン(ウレタンキャップ)を取り付けた上で曲げ加工を行います。そうすることで素材の表面にヤゲン跡を付けずに曲げ加工を行うことができます。なお、ウレタンキャップはサイズが小さいため、使用できる製品も小さな精密板金に限られます。

POINT

 カバーなどの外観を重視する製品は、精密板金加工の工程で発生するキズなどをいかに防止するかが製品の品質を左右します。曲げ加工におけるヤゲン跡についてはウレタンキャップを使用して傷を回避します。ただし、ウレタンは何度も曲げ加工を行うと、素材の特性上ヘタリが生じますので、数量が多い場合には、角度のバラツキが発生するので注意が必要です。

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