筐体に使用する重く大きなパネルは、差し込みを活用する

筐体のフレームに大きなパネルを取り付ける場合、特に一人では持てないケースにおいては設計段階でケアする必要があります。例えば高さ2000mm・幅1000mmの筐体の側面に対して幅いっぱいに1.6mm厚のパネルを取り付ける場合、一人で持ち上げて作業するだけでも危険が伴います。その上筐体の多くは塗装を行っているのでキズの発生もケアする必要があり、組立は困難を極めます。仮に差し込みがあってもそれが横にある場合は不安定になりバランスを崩してしまいます。


このような大きくて重いパネルを設計する際には、差し込みを縦方向に設計し、加えて取っ手も採用するようにします。差し込みを横方向から縦方向に変えるだけで大きなパネルは安定するので、組立作業における効率がアップし、リードタイム短縮・コストダウンに繋がります。
POINT
筐体板金や精密板金を設計する際には、どうやって使うかという視点に加えて、組み立て時やメンテナンス時の取り扱いも考えた上で設計することが必要です。特に重い部品を取り扱う際には、できるたけ無理な力や態勢を取らずとも安全に楽に作業できるよう工夫することが求められます。