下型に当たらず、曲がらない部分には、スリットを入れる
精密板金で曲げ加工を行うにはプレスブレーキを使用しますが、この下型のV幅にワークが当たらないと曲げることができません。例えば左のような形状のワークを曲げると、幅が十分にある部分は曲がりますが、赤丸をした部分はプレスブレーキの下型に当たらないので曲げることができません。
下型に当たらないような、赤丸部分に示したような形状は、スリットを入れることで曲げ加工を行った際と同様の形状を得ることができます。左の写真のように、スリットを入れてからプレスブレーキによって曲げ加工を行うと、ワークの幅が十分にある部分が曲げられることで赤丸の部分も追随し、想定していた形状を得ることができます。
POINT
幅が狭く、曲げを行うことができない部分を持つワークは、スリットを入れることで曲げ加工を行ったような形状を得ることが可能です。しかし、このスリットが機能上問題になる場合は、曲げ代を作っておき、曲げ加工後に曲げ代を切断する、という方法があります。曲げることができない形状に対しては、コストや機能など様々な観点から対処法を選択します。