精密板金加工の外観品質向上とコストダウンを両立させるためのVA・VE設計技術情報満載

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【80%CD】ナットの溶接は、スポット溶接で行う

BEFORE

フレームやカバーなどは、TIG溶接でナットを固定するよう指定されることが多くありますが、実は、製造工程ではナットを下穴の中心に合わせるために皿ビスや治具などを使わなければならず、非常に手間がかかるものです。さらに、ナット溶接はこの写真のように周辺に歪みが生じてしまいますので、品質的にもコスト的にも問題があります。ステンレスの場合、溶接を行うと膨らみも出やすく、カバーなどではグラインダー仕上げが必要になり、焼け跡の処理も必要となる場合が多くなります。

AFTER

ナットを溶接で固定する必要がある場合は、ウェルドナットを採用すれば、外観・品質・コストすべてにおいてプラスになります。前述のナット溶接では治具などに加えて溶接時間も必要になりますが、ウェルドナットはスポット溶接を行いますので、溶接時間も大幅に短縮でき、かつ治具も不要になり、写真のように歪みも解消され外観品質も向上します。

POINT

「ナットを固定にはTIG溶接」という図面を多く拝見しますが、品質・納期・コストいずれをとってもウェルドナットをスポット溶接する方が得策です。ただし、ウェルドナットには規格があるのでサイズはやや限定的になるのと、ウェルドナットに合わせた下穴の設計が必要になるので、採用される際には事前にご相談されることをお勧め致します。
なお、精密板金加工.comを運営する協和工業では、ナットのスポット溶接を含め、様々なVE提案を行っておりますので、ご相談を頂ければ構造面からの御提案を行うことも可能です。

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