図面の大幅変更により、曲げ・溶接が困難な形状を実現
精密板金においてコストダウンを考える場合、極力溶接無しで、一体化で製作するという事があります。しかし深い箱形状の場合は、よく考えて設計する必要があります。Before図は、実際にお客様からご指示頂いたものですが、一体化で展開され製作を依頼いただきました。しかしこの形状では、曲げ金型や設備の関係上、無理に曲げてしまうと製品は変形してしまい、寸法は確保できず外観も悪くなることが懸念されます。
精密板金加工.comを運営する協和工業では、通常の曲げ金型では対応できないものは特注金型を製作して対応することもありますが、今回のケースでは特注金型だけでは対応が困難でしたので、分割形状にて提案しご採用頂きました。少しでも一体化に近づけるため、一面のみを分割にすることも可能でしたが、外観重視であったため両端の見た目が同じになるように両面を分割することとしました。また溶接に関しても、今回の精密板金加工品のように製品形状が大きいと、Tig溶接では歪みが発生することが予測されたため、熱影響の少ないスポット溶接を採用し精度と外観を両立させました。
POINT
株式会社協和工業では、お客様のご要求スペックにお応えすべく社内設備の充実・専用金型の製作・技術者のレベル向上に取り組んでおりますが、それでもどうしても対応ができないケースがございます。そういった場合は今回ご紹介した事例のように、お客様のご要求を満足しつつ形状・仕様を変更させて頂くご提案を行っています。このご提案に関しては設計がFIXしてしまうとなかなか変更が出来なかったり、あるいは時間が掛かってしまうという事もあると思います。こうした事を防ぐためにも、設計段階で当社にご相談を頂くことができればスペックもコストも満足できる最適な形状にて設計を行うことが可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。