反りを防止するため、曲げ部に穴を設ける
精密板金では、長いワークを扱う際には、曲げ加工によって生じる弓状の反りが発生します。例えば1,000mm程度の長さのワークをL曲げすると、左の写真のように反ってしまいます。一度反りが発生してしまったワークは、逆方向に曲げて修正するなどの手間がかかり、最終的にはコストアップの要因となります。
1,000mmを越える精密板金の曲げ加工では、必ず弓状に反りが発生するので、これをあらかじめ抑えるように工夫することがコストダウンに繋がります。左の写真には、L曲げを行う部分に丸穴をいくつか開けていますが、こうすることで素材の伸び・縮みが丸穴に吸収されることで弓状の反りが発生しにくくなります。穴空けはパンチやレーザー等で行うため、一度反ったワークを手作業で戻すよりも加工時間が短くなります。
POINT
曲げ加工は、ワークの内側には縮み、外側には伸びが発生するので、どうしても歪みが発生します。長いワークのL曲げを行うと、その歪みは 反り という現象になって表れます。これを回避するための方法として曲げ部分に穴を空けるという方法がありますが、導入にあたっては強度的に問題がないかを検証しておく必要があります。