筐体の組立精度を治具の活用で向上
筐体の中には非常に高い組立精度が求められるものも多く存在しますが、それを板金部品の精度のみで実現しようとすると多大なコストがかかるか、最悪の場合実現できないという事になります。一般的な精密板金における曲げ角度のばらつきは±0.5°程度ですが、例えばこれが2つの部品・2か所の曲げになると最大で±1.0°となり、どうしても曲げばらつきを考慮した組立が必要となります。
これに対し協和工業では、たとえば寸法公差が設定されたユニットの下部に曲げ加工品2点を組み付けるケースでは、要求される寸法公差に合うように通り・止まりの計測治具を用いて管理しています。こうすることで曲げばらつきを組立工程で素早く調整する対策を行っています。なおコイニング加工など曲げ精度を向上させばらつき自体を小さくする方法もありますが、曲げ際に凸形状があるなどその加工方法が採用できないケースもあり、今回ご紹介したような治具を活用することが広く適用できる有効な手段となります。