溶接指示の明確化によるコストダウン
精密板金では、溶接指示を明確にすることがコストダウンに繋がります。たとえば左のような溶接品を、単に
「折り曲げ、溶接構造とする」とだけ注記した場合は、作業者は合わせ部を全周溶接してしまいます。したがって溶接長さは、
40+100+10=150mm
上記に加え両側を溶接することになり溶接長さは300mmとなり、作業に時間が掛かります。
例えば図示のように、ピッチ溶接で指示すると溶接長さは下記の通りとなります。
(10×2)+(20×3)+(10)=90mm
両側を溶接するので、180mmとなります。
中板リブは補強としての役目であれば、ピッチ溶接でも強度的には充分なケースがあります。こうすることで、1個当たりの溶接時間は5分程度短縮することが可能です。
POINT
板金図面で溶接指示は、業者まかせの傾向がありますが、作業者は安全をみて全周溶接する傾向にあります。そのため溶接ひずみ発生や、ステンレスの場合は焼け跡取りと、工数がかかりコストがかかってしまいます。強度的に問題ないのであれば、溶接指示は短めの指示を出すのがコストダウンのポイントになります。